こんにちはロウシです。
いつも記事を一読してもらってありがとうございます。
なぜユーラシア大陸で西欧と日本がいち早く近代化できたのでしょうか。
それは地理が関係しているとこの『文明の生態史観』は語ります。
いったいなぜ『文明の生態史観』はそう語るのでしょうか。
今回は『文明の生態史観』の魅力となぜ日本と西欧が発展したのかを紹介していきます。
この記事でわかることはこういったことです。
- なぜ西欧と日本がいち早く発展できたのか
- 『文明の生態史観』の魅力
- 『文明の生態史観』がおすすめの人
なぜ西欧と日本がいち早く発展できたのか
なぜ西欧と日本がいち早く発展できたのでしょうか。
そのヒントとなる事がこの『文明の生態史観』には書かれています。
注・・・この『文明の生態史観』で論じられているのは旧大陸(ユーラシア大陸)とその周辺のみです。
この図を見てください。
この図は『文明の生態史観』に出てくる概念を図に表した物です。
まずこの本ではユーラシア大陸を二つの地域にわけます。
青い線で囲まれている西欧と日本は第一地域に属します。
赤い線で囲まれている地域は第二地域に属します。
ここで第一地域と第二地域の歴史をざっくりかきます。
第一地域
農耕社会→封建制→民主化→産業革命→世界大戦に参戦→高度経済成長
第二地域
文明が誕生→専制君主制の巨大な帝国→20世紀初頭に帝国が崩壊→ロシア以外の多くの国が植民地化→二次大戦後独立→多くの国で独裁政権が誕生
第一地域は近代、順調に発展しました。
一方、第二地域にとって近代は衰退の時代でした。
なぜ第一地域と第二地域でこんなにも歴史が違うのでしょうか。
その答えはユーラシアステップにあります。
ユーラシアステップとは満州からバルカン半島に広がる乾燥地帯です。
第二地域は文明が最初誕生した土地でした。
ですが、順調に文明を発展させるにはある障害がありました。
それが遊牧民です。
遊牧民は先程いったユーラシアステップが故郷です。
遊牧民で有名なのは元です。
元は、もとはモンゴルの国でしたが、あっというまに周辺国を征服し巨大な帝国を作りました。
このことから第二地域の人々は常に遊牧民と戦ってきた歴史を持ちます。
結果、第二地域の国々は建国しては崩壊をくり返し来ました。
仮に第二地域で高度な文明ができても周辺諸国に攻められ崩壊してしまい、なかなか発展しないのです。
第一地域は文明の発生源にはなりませんでしたが、豊かな土壌と良い気候、遊牧民との距離があったため文明が安定して発展しました。
両者の本質的なちがいは、第二地域は国家もろとも変わっていったのに対し、第一地域は国家の体制だけが変化していたことです。
両者の政治体制はどう違うのでしょうか。
第一地域
封建制(権力の分散)
第二地域
専制君主制(権力の集中)
封建制は王が諸侯に土地を与え、その土地の人民を支配させそのかわりに忠誠を得る制度です。
一方専制君主制は王がすべてを支配する政治体制です。
第二地域は広大な領土にさまざまな民族がいるため独裁的にならざるを得ません。
封建制では私有財産が認められます。
つまり資本主義になりやすく、近代化しやすいのです。
一人の人間に権力が集中した結果第二地域では権力闘争の結果、国が崩壊したりします。
第一地域では、権力を分散しているのでそういった事が起りにくいです。
もちろんここまで単純化すると当てはまらない例も多くあります。
最近ではこの考えがあてはまらない場合もおおいです。
ですが、文明について考える上で、非常にヒントになる本ですので、ぜひ読んでみてください。
<こんな人におすすめ>
『文明の生態史観』はこんな人におすすめです。
- 文明について知りたい人
- 歴史の法則について知りたい人
- 陸軍国家と海洋国家の違いを知りたい人
『文明の生態史観』のオススメ3ポイント
文明についての新しい知見を得られる
一つ目のオススメポイントは、「文明についての新しい知見を得られる」です。
『文明の生態史観』の一番の魅力はここです。
この本はとてもユニークな切り口で歴史や国の衰退を論じます。
この『文明の生態史観』にでてくる考え方はとても参考になります。
ユーラシアステップつまり、遊牧民が文明の興亡に大きく関係しているとは普通の人間は考えません。
陸の国と海の国の根本的な違いを知れる
二つ目のオススメポイントは、「陸の国と海の国の根本的な違いを知れる」です。
陸の国と海の国は根本的に違います。
陸で強い国家は、直接的に支配しようとする傾向が強いです。
海の国は、貿易や海運を使って支配しようとします。
今の時代のルールでは海の国のほうがつよいです。
こういった事をこの本では教えてくれます。
歴史と地理、思想はつながっていることを知れる
三つ目のオススメポイントは、「歴史と地理、思想はつながっていることを知れる」です。
この『文明の生態史観』ではさまざまな要素(歴史、地理、思想)が絡み合っていることを知れます。
例えば、中国やロシアのような広大な領土を持つ国は必然的に専制君主制になりやすいなどです。
専制君主制とは一人の王や皇帝に権力を集中させる制度です。
こうした制度があると資本主義がでにくいです。
なぜなら、個人の私有財産がないからです。
すると共産主義や社会主義になりやすいのです。
このよう風に地理、歴史、思想は深く関係していることを痛感させてくれる本です。
まとめ
- 『文明の生態史観』は文明の興亡についての知見をくれる
- 第一地域(西欧と日本)は封建制のおかげで近代化できた
- 第二地域(ロシアや中国など)は専制君主制にならざるを得ない
今回は『文明の生態史観』についての記事でした。
この記事に載せれていない内容もたくさんあります。
ご興味があればぜひご一読ください。