微積を使ってきちんと高校物理を理解する【力学編】0.高校物理で使う数学編

物理学

こんにちはロウシです。

いつも記事を一読してもらってありがとうございます。

今回から「微積を使ってきちんと高校物理を理解する」シリーズを始めたいと思います。

物理学は微分積分などの数学を使うことで定義されているものです。

ですからこの記事を読んでる皆さんはしっかり数学を勉強して物理を学びましょう。

今回の記事では微分積分の細かい計算法などは解説しません。それは各自で調べてください。

私が話すのは微分積分の物理学的なコンセプトです。つまり、「物理学では微分積分はどのような意味で使われているか」を話します。

この記事では高校数学レベルの三角関数、ベクトルは理解しているものとします。

この記事でわかることはこういったことです。

  • 微分の物理学的なコンセプト
  • 積分の物理学的なコンセプト
  • 数学をしっかり使って物理をすることのメリット

数学をしっかり使って物理をすることのメリット

本質を理解できるので間違えにくくなる

1番のメリットはこの「本質を理解できるので間違えにくくなる」です。

公式の暗記では、問題を解くとき公式の適用を間違えるリスクがあります。

しかし、しっかりと理解していれば公式の適用をする必要がありません。

理解している人間にとっては、\(1+1\)ぐらい当たり前で間違えないのです。

私達が九九の公式と言わないのと同じようなものなのです。

さまざまな現象の式をすぐに立てられるようになる

二つ目のメリットは「さまざまな現象の式をすぐに立てられるようになる」です。

これは問題を解く上ですごくよいです。

例えば力学の単振動という分野は運動方程式を立てればほぼ問題を解くことは終了します。

くわしくはいずれ解説します。

複雑な状況設定でも、運動方程式や回路方程式を立てることができれば、すぐにエネルギーなどの式を導くことができます。

物理の勉強が楽しくなる

三つ目のメリットはすごく単純ですが、「物理の勉強が楽しくなる」です。

結局どうせ勉強するならしっかり理解したほうが楽しいです。

公式を暗記するだけなんておもしろくない。

物理を楽しむという意味でもしっかりとしたものをやりましょう。

物理学の目的

物理学の目標は物理現象を解析することです。

例えば、物が落ちることを分析したり、電気と磁石の関係を調べたりです。

ではどのような手段を使って物理現象を解析したらよいのでしょうか。

それは「物事を細かく分割して分析する」です。

つまり問題を分けて単純化して、分析するのです。

この考え方と微分積分は非常に相性がよいです。

微分の物理学的なコンセプト

微分の物理学的なコンセプトはざっくり言うと「微少な区間に分けて瞬間を捉える」です。

具体例を見た方がわかりやすいので具体例を提示します。

等速で分速35mであるく人がいるとします。

このグラフは縦軸に速度\(v\)、横軸に時間\(t\)を取った\(v-t\)グラフと呼ばれるグラフです。

ではこのグラフから加速度を求めてみましょう。

加速度とは単位時間あたりの速度の変化率のことです。

つまり\(v-t\)グラフの傾きです。

速度は変化していないので、傾きは0で加速度も0です。

では次のようなグラフから加速度を求めてみましょう。

「おやっ」と思ったかたもいると思います先程と違い、グラフがグニャグニャ、つまり傾きが一定ではありません。

どうのようにある瞬間の加速度を求めれば良いでしょうか。

詳しくは次回の記事で解説するのでここでは軽くふれるだけにしておきます。

厳密ではありませんがざっくり言うと、「加速度を求めたい時刻を\(T\)とすると、そこから微少な時間\(\Delta t\)だけ進んだ時刻\(T+\Delta t\)と\(T\)の差を求め\(\Delta t\)で割る」です。

(本来ならば\( \lim_{\Delta t\to 0}\)の極限をとる)。

考え方は中学生でならうグラフ上で2点を通る直線の式の傾きの求めかたと同じです。

参考までにグラフ上で2点を通る直線の式の傾きの公式を載せておきます。

二つの点を(\(x_1\),\(y_1\))、(\(x_2\),\(y_2\))とすると二点を通る直線の傾きは、

 

\(\frac{y_2-y_1}{x_2-x_1}\)

2点を通る直線の式の傾きについて詳しく知りたいかたは調べてください。

このように瞬間の加速度を求めるにはある微少な区間に分けて考える必要があります。

ここに先程言った、「微少な区間に分けて瞬間を捉える」という考えが現れています。

つまりある瞬間の変化を知るためには、微少な区間に区切ってグラフの傾きを求める必要があるのです。

これは微分の考え方そのものです。

物理では単位時間あたりの変化が関わる量は基本的に微分を使って定義します。

例、速度、加速度、電流など。

積分の物理学的なコンセプト

積分の物理学的なコンセプトは「微少な変化を集める」です。

これも具体例で考えましょう。

等速で分速35mであるく人がいるとします。

この人が40分であるく距離(変位)はいくつでしょう。

これはわかると思います。

距離\(=\)経過時間\(×\)速さ

なので、\(35×40=1400\) メートルがこの人が40分であるく距離(変位)です。

ここで下の\(v-t\)グラフを見てください。

ある時間内の距離(変位)は\(v-t\)グラフの面積になっています。

つまり距離(変位)を求めるという操作は\(v-t\)グラフのある時間内の面積を求める事に対応しているのです。

勘のいい人なら気づくと思いますが、これは本質的に積分をしているのです。

つまり先程のようなグラフのような状況のある時間内の変位(距離)を求めるということは定積分をしなければなりません。

(詳しい事は次の記事で解説します。)

ここでは考えかたを説明します。

上のグラフの青い短冊の横幅は微少な\(\Delta t\)です。ある時刻\(T\)の時、面積は\(v(T)×\Delta t\)高さは\(v(t)\)、横幅は微少な\(\Delta t\)です。

この操作をある時間の区間内すべてにおこなって足せば面積つまり変位になります。

先程と同様にここに積分の物理学的なコンセプトが現れています。

つまり先程の「ある時刻\(T\)の時、面積は\(v(T)×\Delta t\)この操作をある時間の区間内すべてにおこなって足せば面積つまり変位になる」は「微少な変化を集める」を集めているのです。

物理では微少に分けて考えて最終的に足し合わせるとき積分をつかいます。

これは積分が計算上は微分の逆演算にあたるからです。

まとめ

  • 物理学の勉強には数学は必須
  • 微分の物理学的なコンセプトは「微少な区間に分けて瞬間を捉える」。
  • 積分の物理学的なコンセプトは「微少な変化を集める」。

次回は「変位と速度と加速度」というテーマで解説します。

微分方程式についてはいずれくわしくやりたいとおもっています。

今回グラフなどを作るのにつかったサイトは

https://www.mathcha.io/