全体主義の心理「自由からの逃走」紹介&解説!

人文科学

こんにちはロウシです。

今回はナチスの心理を分析した「自由からの逃走」を紹介します。

人々はなぜカリスマに酔うのでしょうか。

そして「自由からの逃走」というタイトルの意味は何なのでしょうか。

この記事を読めば分かります。

今回の記事を読んででわかることはこういったことです。

  • 「自由からの逃走」の内容
  • 全体主義がなぜ台頭するのか
  • エーリッヒ・フロムとはどういった人物か

この記事の要点が知りたい方は目次から まとめへ飛んでください。

フロムとは

Erich Fromm.jpg

wikipediaより

エーリッヒ・ゼーリヒマン・フロム(1900~1980)はドイツ生まれの社会心理学者です。

彼の代表作は、「自由からの逃走」、「愛するということ」などです。

フロムはユダヤ教徒の両親の元に生まれました。

フランクフルト大学に入学しますが、一年でハイデルベルグ大学に移ります。

1922年にカール・ヤスパース、アルフレート・ウェーバーの指導の下に学位を取得します。

ナチスが政権を取ると、スイスに移りました。

その後アメリカに行き二度とドイツには帰らなかったといいます。

1980年に自宅で死去します。

80歳の誕生日の目前だったそうです。

「自由からの逃走」とは

「自由からの逃走」はフロムの処女作として第二次世界大戦中に発表されます。

「自由からの逃走」はナチズムの心理分析や自由とは何かについて考えられています。

この本は我々がイメージする自由の観念を壊してくれます。

自由は素晴らしいですが、人は孤独が嫌いです。

哲学者のショーペンハウアーは「孤独を愛さない人間は自由を愛さない人間にほかならない」といっています。

つまり孤独と自由はセットなのです。

裏を返せば自由をすてると言うことは孤独じゃなくなるという事なのです。

だから人は強権的なナチズムなどに傾倒していくのです。

「自由からの逃走」は第二次世界大戦中に書かれました。

ある種時代に対しての反抗を感じる本です。

それでは内容に入っていきましょう。

宗教改革時代の自由

中世社会には近代的な意味での自由はありませんでした。

人々は身分によって仕事が決まっていて社会的な役割も決まっていました。

つまり人々は孤独ではなかったのです。

別の言い方をすると帰属感を得られていたわけです。

ようするに、中世社会は外的な束縛はあったが内的な面では恵まれていたということです。

このような帰属感を第一次的な絆と称します。

第一次的な絆は母親とへそのおでつながった子どもと似ています。

つまり社会という母親と第一次的な絆というへそのおで人々(子ども)はつながっていたのです。

ですが時代の変化と共にその第一次的な絆は断ち切られていきます。

すると人々は不安に襲われ第一次的な絆を求めるようになります。

それが近代人における自由です。

近代人における自由

近代人における自由には二面性があります。

それは外的な束縛からの解放と孤独や不安です。

外的な束縛からの解放は、信仰の自由や自由な経済競争などです。

ですが自由には責任も伴います。

そうした責任や孤独などから人は逃げようとします。

孤独を避ける方法は三種類あるとフロムはいいます。

それは権威主義と機械的画一性、自発的行動だと言います。

すこしまとめます。

権威主義
自分より大きな力に服従することで安心感を得ようとする。

 

第一次的な絆を取り戻そうとする働きではあるが取り戻せない。

ナチスに熱狂した人々はこれに当てはまるかも知れない。

機械的画一性
個性や思想を捨て、社会が求めるパーソナリティや思想に完全に順応して生きる。

 

日本人の大部分がこれに当てはまる。

ナチスに消極的に加担した人々はこれに当てはまるかも知れない。

自発的行動
個性を放棄せず孤独を引き受けて能動的に社会と関わっていく生き方。

 

自己とは何かを探求し勇気をもって覚悟をもって社会と関わる必要がある。

人は孤独に弱いです。

でも、ナチスの再来を防ぐには人々は孤独を恐れず生きなければいけません。

今の世の中は非常に危険です。

校などでは一人の人間のことを「ぼっち」といって揶揄したりします。

このような傾向は非常に全体主義てきな世の中につながりそうで怖いです。

我々が自分の思想だと思っているものも実は他人の思想かもしれません。

そうフロムはいいます。

自発的行動を出来るようにしていかないと我々は破滅に向かっていくでしょう。

悲惨な戦争は基本民衆の熱狂が原因で起きます。

日本の教育は自発的行動を阻害する教育です。

これからこのような教育がどうなっていくのでしょうか。

「自由からの逃走」を読んで知れること

「自由からの逃走」を読むと何が学べるのでしょうか。

いまからそれを書いていきます。

ただこれはあくまで個人的な考えです。

ナチズムの心理

まず最初にナチズムの心理について知れます。

ナチズムは孤独になった群衆がその孤独を解消するために生まれたのです。

つまり支配されることにより孤独から解放されようとして生まれたと言うことです。

このような事を知ることができます。

今回私が紹介していないこともいくつかありますのでぜひ読んでみてください。

孤独の恐ろしさ

次に孤独の恐ろしさについて知ることが出来ます。

近代人は孤独になったから一人のカリスマを求める。

一人のカリスマを求めるから戦争が起る。

あるしゅヒトラーのような独裁者が誕生したのは必然だったのかも知れません。

我々はなんとしてもこのような独裁者の誕生を防ぐ必要があります。

防ぐ方法を考えるときこの本はきっと何かの役に立つと思います。

自由の重み

次に自由の重みについて知れます。

この自由の重みについてはサルトルという哲学者が「人間は自由の刑に処せられている」といっています。

つまり自由はすごく重要で素晴らしいものです。

ですが大衆は自由の重みに耐えられません。

ここでいう重みというのは自由による責任などです。

そういった重みに人は耐えられないからファシズムが台頭する。

このようなことを知ることができます。

自由の二面性

最後に自由の二面性について知ることが出来ます。

自由の二面性とは何をしても良い権利と孤独です。

人々は中世の封建的な束縛から解放されました。

ですがそれは絆を断ち切られたということです。

つまり自由にはなったが恐ろしく孤独になったということです。

そういうことを知れます。

「自由からの逃走」がおすすめの人

「自由からの逃走」がおすすめの人はこういった人です。

  • 自由について知りたい人
  • ナチズムついて知りたい人
  • 孤独について知りたい人
  • 大衆の心理に興味がある人

ここにあてはまる人は読んで損はしないでしょう。

「自由からの逃走」がおすすめではない人

「自由からの逃走」がおすすめではない人はこういった人です。

  • 自由に興味がない人
  • ナチズムに興味がない人

ここにあてはまる人はおそらく読んでも楽しめないでしょう。

まとめ

  • エーリッヒ・フロムは社会心理学者。
  • 「自由からの逃走」は第二次世界大戦中に書かれた。
  • 中世は外的に束縛されていたが人々は帰属感があって幸せだった。
  • 帰属感を求めて人は服従する。
  • 帰属感を得るため人は個性を捨てる
  • 自発的行動が理想

今回は「自由からの逃走」についての記事でした。

ご興味があればぜひご一読ください。