こんにちはロウシです。
今回はウェーバーの「プロテスタンティズムの倫理と資本主義の倫理」の紹介と解説です。
以後「プロ倫」に省略します。
「プロ倫」は社会学の古典です。
なぜ今「プロ倫」を読むべきなのか。
それはこの記事を読めばある程度分かります。
いったいどういった内容なのでしょうか。
今回の記事を読んででわかることはこういったことです。
- ウェーバーとはどういった人物か
- 「プロ倫」の内容
- 「プロ倫」の魅力
- なぜ今「プロ倫」なのか
この記事の要点が知りたい方は目次から まとめへ飛んでください。
M・ウェーバーとは
マックス・ウェーバー(1864~1920)はドイツの政治学者、社会学者です。
彼の主な著作は「プロテスタンティズムの倫理と資本主義の精神」、「職業としての政治」、「職業としての学問」などがあります。
マックス・ウェーバーは1864年現在のドイツのプロイセンに生まれました。
その後、ハイデルベルク大学で法律や経済について学びます。
大学卒業後、ベルリン大学で法律の講義をしました。
1896年に父が死去するとうつ病になります。
1904年に休養を経て「プロテスタンティズムの倫理と資本主義の精神」を書きます。
1920年肺炎で亡くなります。
「プロ倫」とは
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「プロ倫」はウェーバーの代表作です。
この本はいったい何が目的なのでしょうか。
それは、「プロテスタントが資本主義の精神にどのような影響を与え、資本主義が成立したかを解明する」です。
ただしここで注意してほしいのはウェーバーはなにも「プロテスタントの倫理が資本主義の本質だ」と言っている訳ではありません。
プロテスタントが資本主義の精神に多大な影響を及ぼしたけれども、プロテスタントが資本主義の本質ではありません。
資本主義の社会になったのは何もプロテスタントだけのせいではありません。
あくまで「プロテスタントの倫理が資本主義に影響を与えた」ということです。
これらに注意して解説していきます。
時代背景
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19、20世紀は資本主義が大きく発達しました。
ヨーロッパでは経済成長が進みました。
興味深いのは統計的に比べるとカトリック信者は手工業をしていますが、たいしてプロテスタントは工場労働に流入する傾向があるとわかりました。
この結果はプロテスタント特にカルヴァン派の信者が資本主義にマッチしていることを示唆しています。
理由は、プロテスタントの特徴の合理的禁欲は資本主義に合っているからです。
禁欲と資本主義は真逆に感じますが実はそうではなかったということです。
先程も言いましたが、合理的禁欲が決定的な要因になって資本主義が促進したということではありません。
あくまで一つの要因に止まります。
プロテスタンティズムが資本主義を促進させたと考えるのは無理がありますし、何より馬鹿馬鹿しいです。
資本主義の精神
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資本主義の精神とは何のでしょうか。
ウェーバーの言う資本主義の精神それは、利潤追求と道徳的正しさの思想を併せ持つ倫理観の事です。
貨幣を使った自由な経済体制は古代中国やインドからありました。
しかし、そこに資本主義の精神はありませんでした。
ウェーバーはプロテスタンティズムが上手く資本主義の精神にマッチしたと考えました。
単なる利潤追求ではなく宗教的な特別な意味があった方が経済は成長するのです。
近代的資本主義とプロテスタントが広まった時期が同じなのはこれが要因かも知れないとウェーバーは考えます。
カルヴィニズム
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ウェーバーによれば資本主義の促進に貢献したのはプロテスタントの宗派のカルヴァン派です。
カルヴァン派とは、フランス出身の神学者ジャン・カルヴァンが始めた教派です。
カルヴァンは一部の宗派を除きプロテスタントに影響を与えました。
以降カルヴァン派の特徴について話していきます。
予定説
カルヴァン派の教えの中で1番特徴的なのが予定説です。
予定説というのは、死後神に救済されるのは誰か最初から決まっているという考え方です。
つまり、どれほど頑張っても教会にいっても祈っても意味がないということです。
なぜなら最初から神に救われるか決まっているからです。
なぜそんな説が資本主義に影響を与えたのでしょうか。
カルヴァン派の予定説では救われるかは最初から決まっています。
ですが人間は弱い生き物。
自分が救われているのか知りたくなります。
そして、自分が救われているという確証を得ようとします。
そして確証を得るのに必要だったのが天職(職業労働)を立派にこなし経済活動に参加することです。
労働を立派にこなすのは選ばれた人しかできないからです。
信者は確証を得るために必死になって働きます。
この思想がプロテスタンティズムの根底に流れているのです。
合理的禁欲
合理的禁欲もプロテスタントの特徴です。
合理的禁欲とは文字通り禁欲のことです。
合理的禁欲が資本主義の促進にどのように貢献したのでしょう。
それは単純です。
プロテスタントの信者は労働を自分の生活を良くするためではなく、神のためにしています。
自分の欲望のために使うのは卑しいと思われていたのです。
だから、貯金をするのです。
そして貯金が貯まってくると、神のために資本を投資するのです。
そして、どんどん経済活動が促進されるのです。
現代の資本主義
現代の資本主義は先程の宗教的な意味が失われています。
だからプロテスタンティズムが今日の資本主義の根底にあるというのは間違っています。
私達のこの資本主義がどこにいくのかは分かりません。
それこそ神のみぞ知るということです。
「プロ倫」を読んで学べる事
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「プロ倫」を読んで学べる事を今から書いていきます。
ただこれは個人の主観です。
資本主義について考えさせられる
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まず最初に資本主義について考えさせられます。
私達は普段研究者でもないかぎり資本主義について考えたりしません。
それがすごく身近なものでもです。
でも「プロ倫」はそういったものを考えるきっかけをくれます。
そういう意味でも、すごく勉強になります。
カルヴァン派について知れる
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次にプロテスタントのカルヴァン派について知ることが出来ます。
「プロ倫」について読むと正直キリスト教にめちゃくちゃ詳しくなれます。
いろんなキリスト教の宗派が出てくるからです。
とくにカルヴァン派の予定説についてはすごく詳しく論じられています。
プロテスタントについて知りたいなら「プロ倫」を読むべきです。
「プロ倫」がおすすめの人
「プロ倫」がおすすめの人はこういった人です。
- プロテスタントについて知りたい人
- 資本主義ついて知りたい人
- 理解社会学について知りたい人
- ウェーバーに興味がある人
ここにあてはまる人は読んで損はしないでしょう。
「プロ倫」がおすすめではない人
「プロ倫」がおすすめではない人はこういった人です。
- 資本主義に興味がない人
- プロテスタントに興味がない人
ここにあてはまる人はおそらく読んでも楽しめないでしょう。
まとめ
- M・ウェーバーはドイツの社会学者
- 「プロ倫」はプロテスタントの倫理が資本主義に影響をあたえたという話
- プロテスタンティズムだけが資本主義を促進した訳ではない
- 予定説は神に救われる人は最初から決まっているという説
- 神に選ばれている確信を得るためプロテスタントの人は働く
今回は「プロ倫」についての記事でした。
ご興味があればぜひご一読ください。