「戦争論」のおもしろいところをコンパクトに解説!

社会学

こんにちはロウシです。

今回は私が「戦争論」を読んでおもしろいと思ったところをコンパクトにつ解説します。

戦争はなぜ起きるのでしょうか。

全体戦争になぜ世界はなっていったのか。

そのような疑問はこの本を読むと解決します。

今回の記事を読んででわかることはこういったことです。

  • カイヨワとは
  • 「戦争論」の内容
  • 祭りについて

この記事の要点が知りたい方は目次から まとめへ飛んでください。

カイヨワとは

wikipediaより

ロジェ・カイヨワ(1913~1978)はフランスの哲学者、社会学者です。

彼の代表作は「戦争論」、「遊びと人間」などです。

1913年に彼はフランスのランスで生まれました。

その後、高等師範学校へ入学。1933年に卒業。

その後、マルセル・モースなどといった思想家のもとで学びます。

彼は1939年にフランスを離れ第二次世界大戦をアルゼンチンで過ごしました。

没後「ロジェ・カイヨワ賞」が発足しました。

「戦争論」とは

「戦争論」はカイヨワの代表作です。

この本で書かれているのは以下のことです。

  • 戦争の仕組み
  • 戦争の歴史
  • 人間の精神性

などなど様々です。

この本では人間精神の奥に潜む戦争礼賛について語られています。

今回は私がおもしろいと思ったところを重点的に解説していきます。

それでははじめていきます。

戦争の定義

まず最初にカイヨワは戦争を定義します。

戦争は集団的、意図的かつ組織的な一つの闘争である。

ロジェ・カイヨワ 秋枝茂夫(訳)(2013)『戦争論』法政大学出版局(p.7)

私達は二人で殴り合いをしている人を見てもそれを戦争だとは思いません。

集団で殴り合いをしていても戦争だとは思いません。

カイヨワは戦争の本質は破壊のための組織的企てだといいます。

どういうことかというと、戦争は組織的な破壊だということです。

今回私が扱う戦争の話は国民戦争かつ全体戦争の場合が殆どです。

国民戦争とは国民が武器を取って戦い、国経済をほとんどつぎ込む戦争の事です。

カイヨワは昔は国民戦争をやってなかったといいます。

ではいつ頃が転機になったのでしょうか。

それがフランス革命と産業革命です。

産業革命については戦争経済で解説してます。

目次から飛んでください。

フランス革命によって国民といった意識が生まれました。

それによって自分の国のために死ぬといった考えがでてきました。

国民は道具のように使い捨てられます。

国民戦争いぜんは、戦争は主に傭兵がやっていました。

しかし、フランス革命以後貴族戦争は崩壊します。

そして国民と国家の全てを動員する国民戦争になっていきました

これは余談ですが、古代ギリシャの戦争はスポーツのような物だったらしいです。

だから死者もあまり出なかったそうです。

しかも戦争をする時期が決まっていたのでその時期が終わったら戦争をやめていました。

全体戦争の英雄

全体戦争とは何のでしょうか。

全体戦争の定義はこうです。

  1. 戦闘員の数が動員可能な成年男性の数に接近している
  2. 戦争に使用される軍需品の量が、その交戦国の工業力を最大限に働かせた時の生産量と等しい

これが全体戦争の定義です。

全体戦争では個人の果たす役割はただの歯車になりました

そして戦争は古代ギリシャのような遊戯のようなものからただの殺し合いになりました。

大軍は、虫の群れに似ています。

では全体戦争下での英雄とは何なのでしょうか。

それは無名の戦士です。

ここで引用します。

人びとの尊敬はそれ以来、最も哀れなる者、すなわちその身体が最もひどく破壊され、もとの形をとどめぬまでになってしまった者に対して、捧げられるようになった。

ロジェ・カイヨワ 秋枝茂夫(訳)(2013)『戦争論』法政大学出版局(p.192)

つまり古代の戦争のように強さが英雄の証拠じゃなくなったのです。

ただの肉片に成り果てた人を人は英雄とあがめるようになりました。

全体戦争下では敵への尊敬の念はありません。

古代の戦争においては敵でも卑怯なことはしてはいけないのようなルールがありましたが、現代においてそれは存在しません。

戦争経済

産業革命は大量生産が可能になりました。

ですがそれは問題を抱えていました。

それは在庫が余るという事です。

カイヨワは大量生産をするには大量破壊がいるといいます。

勘のいい方ならもう気づくと思います。

そう、戦争は経済を促進するのです。

なぜでしょうか。

それは戦争が先程言った大量破壊にあたるからです。

敵に工場を壊されればまたそれを作らなければいけない。

銃弾も常に作らなければいけない。

このようにして戦争の状態では経済が促進されるのです。

実際世界中が戦争状態の時つまり第一、二次世界大戦でもアメリカは儲けました。

武器を世界中に輸出してです。

戦争準備、戦争遂行、戦争復興どれも経済を促進させるのです。

祭りと戦争

カイヨワは祭りと戦争は本質的に似通っているといいます。

どうしてでしょうか。

それはどちらも非日常的だからです。

ここで祭りと戦争の共通点をあげていきます。

  • 人を魅惑し恍惚状態にする
  • 日常では許されない行為が許されるようになる
  • 非合理的

などが祭りと戦争の共通点です。

古代社会や中世では人間は祭りでストレスを発散していました。

しかし、資本主義社会ではそういった非合理的なものを切り捨てる傾向があります

それが戦争を引き起こすのです。

発散されない非合理性が、戦争という形で爆発するのです。

人間の本質は戦争に向かっていってしまうという呪われたものなのです。

「戦争論」を読んで知れること

「戦争論」を読むと何が学べるのでしょうか。

いまからそれを書いていきます。

ただこれはあくまで個人的な考えです。

戦争が起きる原因

最初に戦争が起きる原因についてヒントが得れます。

戦争は人間の本質だとカイヨワはいいます。

人間は合理性を追求する非合理な生き物それが本質です。

戦争が起きる理由についての知見をこの本を読む事によって得られると思います。

祭りと戦争の共通点

祭りと戦争の共通点を知ることができます。

祭りと戦争に共通点なんてあるか?と思うでしょう。

私も最初そう思っていました。

ですが、この本を読んで改めて考えるとすごく本質は似通ってるなと思います。

まず最初に、祭りも戦争も普段許されないことが許されるようになっています。

そしてどちらも終わったあと平常運転の日常にもどります。

人間の非合理を合理性によって押さえることによってそれが爆発します。

それが戦争です。

人間は無意味な息抜きが必要なのです。

「戦争論」がおすすめの人

「戦争論」がおすすめの人はこういった人です。

  • 戦争を知りたい人
  • 祭りの本質について知りたい人
  • 人間について知りたい人
  • 大衆の心理に興味がある人

ここにあてはまる人は読んで損はしないでしょう。

「戦争論」がおすすめではない人

「戦争論」がおすすめではない人はこういった人です。

  • 戦争に興味がない人
  • 社会学に興味がない人
  • 哲学に興味がない人

ここにあてはまる人はおそらく読んでも楽しめないでしょう。

まとめ

  • ロジェ・カイヨワはフランスの哲学者、人類学者
  • 「戦争論」は戦争の分析
  • 人間には戦争に傾く傾向がある
  • 祭りと戦争は共通点がある
  • 「祭りは人々が合体するが、戦争は外の敵を殺す」という違いがある

今回は「戦争論」についての記事でした。

この記事に載せれていない内容もたくさんあります。

ご興味があればぜひご一読ください。