世界文学の最高峰ダンテ「神曲」天国篇をわかりやすく紹介&解説!

人文科学

こんにちはロウシです。

今回は世界文学の最高峰と名高いダンテ「神曲」天国篇をわかりやすく紹介と解説をします。

「神曲」はもしなかったらルネサンスがなかったといわれている名著です。

そんな私が「神曲」の中で1番好きな天国篇を今回は紹介と解説をします。

今回の記事を読んででわかることはこういったことです。

  • ダンテ「神曲 天国篇」のざっくりとした内容
  • 「神曲 天国篇」のすごいところ
  • 「神曲 天国篇」におもしろいところ

この記事の要点が知りたい方は目次からまとめへ飛んでください

ダンテ「神曲」天国篇とは

まずそもそもダンテの「神曲」って何?と思う人は下記の記事を見てください↓

最初に天国について説明します。

ダンテの「神曲」の天国は同心円状に各星々が取り巻くプトレマイオスの天動説宇宙観を元に作られた世界です。

ダンテの「神曲」の天国は十層構造でできています。

最上層は神がいる至高天で最下層は月天です。

ダンテの「神曲」の天国の構造を一応書いておきます。

  1. 月天・・・天国の最下層
  2. 水星天・・・徳を積んだけど野心や欲をすてられなかった人がいる
  3. 金星天・・・生前激しい愛の情熱にかられた者がいる
  4. 太陽天・・・聖トマス・アクィナスなどの知恵深い人間がいる
  5. 火星天・・・キリスト教を守るために戦った戦士がいる
  6. 木星天・・・正義ある統治者の魂がある
  7. 土星天・・・信仰一筋に生きた人間がいる
  8. 恒星天・・・先ほどの七つの天を包括し、聖ペトロら諸聖人がいる
  9. 原動天・・・諸天を動かす根源となる天
  10. 至高天・・・神がいる天。

これが天国の構造です。

ダンテは至高天で神の愛をしることになります。

ちなみに余談ですが天国と極楽の違いを書いておきます。

  • 天国・・・キリスト教の価値観。神がいる場所。
  • 極楽・・・仏教の価値観。阿弥陀如来がいる場所。

です。

よく天国と極楽を一緒にする人がいますが実際は天国と極楽は全く別のものです。

天国は東洋には存在しない価値観です。

ダンテの「神曲」の天国篇はとにかく美しいです。

ほんと信じられないほどきれいです。光を感じるような感覚になります。

ダンテ「神曲」天国篇のあらすじはこんなかんじです。

煉獄を超えついにダンテは天国にたどり着いた。ベアトリーチェに案内され天国の神秘を目の当たりにし、ついにダンテは神との合一を果たす。三位一体の神秘を直観しあの世を巡るたびは大団円を迎える。

これが天国篇のあらすじです。

ダンテはいよいよ神の神秘を直観します。

今まで長い旅でしたが最後の天国篇は今までのなかで特に美しいです。

ただ、天国篇は今までの地獄、煉獄篇にくらべて圧倒的に難しいし抽象的です。

これは天国篇の良さでもあり、悪さでもあります。

ダンテ「神曲」天国篇で学べる事

いまからダンテ「神曲」天国篇で学べることをいくつか書いていきます。

物理学的な宇宙観を知れる

まず最初に学べるのは物理学的な宇宙観を知ることができます。

どういうことかというと、物理学者カルロ・ロヴェッエリがダンテ「神曲」の天国篇は三次元球面と呼ばれる現象を正確に表してると言いました。

あの大天才のアインシュタインも「宇宙は三次元球面だ」と主張していたらしいです。

アインシュタインよりも遙かに昔のダンテが同じような考え方だったということです。

これはものすごいことです!

実に数百年も昔の「神曲」で近代の物理学と同じような着想をしていたというのはダンテ・アリギエリがいかにすごいかがよくわかります。

私はこの話を聞いたときものすごくビビリました。

ダンテのすごみがわかるのもこのダンテ「神曲」天国篇です。

空間とは何かを知れる

次に空間について考えることができます。

これはさきほどと同じようなことですが結構すごいです。

我々は普段生きているとき空間とは何かとかいちいち考えて生きていません。

ですがこのダンテ「神曲」天国篇を読むとそういう哲学的かつ物理学的なことを考えるようになります。

私はもともとそういう抽象的なことを考えるのが好きですが、ほとんどの人間はそうではないと思います。

そういう人たちもダンテ「神曲」天国篇を読む事でそういう抽象的なことを考える力がつくと思います。

そもそも人間は空間について考えなくても生きていけます。

ですがそういうことを考えることも頭を使って生きていくなら必要だとおもいます。

あとそういう抽象的な概念について考えると頭がよくなります。

だから抽象的なことはたくさん考えた方が良いのです。

このダンテ「神曲」天国篇はそのきっかけになると思います。

天国の美しさを知れる

次に天国の美しさ(叙事詩)の美しさを知るとができます。

これはダンテ「神曲」全篇に共通していますが、ダンテ「神曲」はとにかく叙事詩の美しさを知ることが出来るのです。

特に天国篇は天国の美しさと叙事詩の美しさをいっぺんに知ることができます。

私はこのダンテ「神曲」を読むまで叙事詩がどういうものか知りませんでしたが、この「神曲」をよんでそのすごさをしりました。

天国篇の美しさは他の篇の中で随一です。

それほど天国篇は美しいです。

私ははじめて本を読んで感動で涙が出そうになりました。

ダンテのすごさを知れる

次にダンテのすごさを知れます。

これはさきほど解説しましたが、アインシュタインが「宇宙は三次元球面だ」と提唱する何百年も前にその着想にたどり着いていたのです。

これでダンテのすごさを知ることができます。

アインシュタインよりもはるか昔に同じ着想にたどり着いたダンテがいかに天才かがよくわかります。

ダンテがルネサンスの先駆者と言われるゆえんもこれでわかります。

アリストテレスの哲学についての理解が深まる

最後にアリストテレス哲学についての理解が深まります。

どうやらダンテはアリストテレスが好きだったらしく「神曲」ではめちゃくちゃアリストテレス哲学がでてきます。

そして特にアリストテレス哲学が色濃くでてくるのがこの天国篇です。

天国篇では哲学、科学、神学などの議論がよく出てきます。

アリストテレス哲学を理解したいなら個人的には「神曲」天国篇を読むべきだと思います。

私はアリストテレスに特別詳しくないですがこの天国篇をよんで多少アリストテレスについての知識がふえました。

ダンテ「神曲」天国篇がおすすめの人

ダンテ「神曲」天国篇がおすすめの人を書いておきます。

  • 天国を知りたい人
  • 宇宙を知りたい人
  • 空間を知りたい人
  • アリストテレスを知りたい人
  • 文学を知りたい人
  • 神を知りたい人
  • 美を知りたい人

ここに当てはまる人は天国篇を読んで楽しめると思います。

ダンテ「神曲」天国篇がおすすめじゃない人

ダンテ「神曲」天国篇がおすすめじゃない人も書いておきます。

  • 天国に興味がない人
  • 宇宙や空間に興味がない人
  • キリスト教に興味がないひと
  • アリストテレス哲学に興味がないひと

こういう人たちはたぶん天国篇を読んでもあまり楽しめないと思います。

ダンテ「神曲」天国篇の感想

ダンテ「神曲」天国篇の感想を一言であらわすと、

ものすごく神々しい美しさに浸り、神や天使の神秘を知ることが出来る作品

これが感想です。天国篇はとにかく神々しいです。

まとめ

  • ダンテはイタリアの詩人
  • 「神曲」天国篇はかなり抽象的
  • 「神曲」天国篇はかなり美しい
  • 個人的に天国篇がいちばん良い

今回はダンテ「神曲」天国篇についての記事した。

ご興味があればぜひご一読ください。